icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina1巻4号

1964年07月発行

文献概要

器械の使い方

聴診器の選び方と使い方

著者: 日野原重明1

所属機関: 1聖ルカ国際病院内科

ページ範囲:P.614 - P.615

文献購入ページに移動
新しい医学の時代に古い聴診器
 フランスのLaennecが聴診器をはじめて考案したのは1816年である。彼は肥つた妙齢の婦人の心音を,それまでの医者が皆そうしたように,患者の胸に自分の耳を直接あてて聴こうとしたが,うまく行かないので,戸外で電柱遊びをしている子供のしぐさにヒントを得て,カルテを丸めて筒をつくり,婦人の胸におしあてて聴診したのが,聴診器のはじまりと伝えられている。
 それから150年近く経つた今日,聴診器はどれ程進歩したであろうか。臨床医にとつて,特に内科医や小児科医にとつては,聴診器は欠くことのできない大切な道具である。ところが日本の医師は,診断法や検査法の改良をとり入れたり,新案を使うことに遅れをとらないように努力しながらも聴診器だけは,依然古典的なものを使つて満足している現状である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら