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61回内科学会,電解質代謝シンポジウムに出席して
著者: 加藤暎一1
所属機関: 1慶大内科
ページ範囲:P.682 - P.683
文献購入ページに移動 内科学会という性質上,電解質代謝のあらゆる面からの考察を加えることが必要であり,与えられた時間が少し十分でなかつたうらみがあつた。それはさておき多彩な発表が行なわれた。
電解質の吸収は電解質代謝の第一歩にもかかわらず,わが国はもちろん欧米でも研究方法のむずかしい点もあって盲点となつていたが,吉利氏(東大)は細胞のactiveなtransportの面を中心に生理的に考究され,Na,Kの取込みがたがいにlinkしていること,これに対するATP. Ouabainの影響等を述べられた。排泄の調節器腎に関しては丸本氏(京府大)が尿細管電位の面から尿細管のNa,Kの処理の基本的機序について知見を述べられた。一方,同じく京都の伝染病学会で,米軍のPhilips氏はコレラ患者糞便からNa pump inhibition作用をもつ物質を証明しておられ,吉利氏の研究成績をもとにして,今後,臨床面との結びつきがようやく興味をもたれる段階にまでなって来た。
電解質の吸収は電解質代謝の第一歩にもかかわらず,わが国はもちろん欧米でも研究方法のむずかしい点もあって盲点となつていたが,吉利氏(東大)は細胞のactiveなtransportの面を中心に生理的に考究され,Na,Kの取込みがたがいにlinkしていること,これに対するATP. Ouabainの影響等を述べられた。排泄の調節器腎に関しては丸本氏(京府大)が尿細管電位の面から尿細管のNa,Kの処理の基本的機序について知見を述べられた。一方,同じく京都の伝染病学会で,米軍のPhilips氏はコレラ患者糞便からNa pump inhibition作用をもつ物質を証明しておられ,吉利氏の研究成績をもとにして,今後,臨床面との結びつきがようやく興味をもたれる段階にまでなって来た。
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