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文献詳細

雑誌文献

medicina1巻5号

1964年08月発行

文献概要

ファースト・エイド

熱・日射病の救急処置

著者: 藤田五郎1

所属機関: 1自衛隊中央病院外科

ページ範囲:P.713 - P.714

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高温による障害
 われわれは一般に,熱けいれん(Heat Cramp),熱疲労(Heat Exhaustion)および熱・日射病(Heat Stroke)を総称して高温による障害(Disturbance due to Heat)とよんでいる。生体が高温にさらされた場合とか直射日光を直接長時間にわたつて受けた場合に,一連の身体障害を生ずることがあるが,過労,水分や塩分の摂取不適切,換気不良とか不適切な衣服着用というようなことがその誘因となつていることが多い。その発現の機序とか,臨床症状によつて,このように3種に分けたものであるが,このうち,熱けいれんは電解質の不均衡がおもな原因で起こるものと考えられ,筋肉の線維性搐搦を伴うけいれん性の疼痛が主症状である。また,熱疲労というのは多量の発汗のために塩分と水分を体から多く失うのが原因で,ショック様症状を発現する。熱・日射病は,非常に高温の室内,あるいは直射日光のもとで長時間労働するような場合,直接あるいは脳圧亢進などのため体温調節中枢が障害されて起こる症状をさしている。
 このような3型は,それぞれ単独で見られることもあるし,また,混合して見られる。ここでは,3者のうちでもつとも重篤であり,また発病初期に適切な処置の必要な熱・日射病を主体にしてその救急処置を述べることにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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