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文献詳細

雑誌文献

medicina1巻5号

1964年08月発行

文献概要

メディチーナジャーナル 境界領域

高血圧性・動脈硬化性脳出血と脳外科

著者: 中村紀夫1

所属機関: 1東大脳神経外科

ページ範囲:P.782 - P.782

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 いわゆる脳卒中は,今日種々の病変によつて起こることが知られている。そしてその大部分は内科医の手で診断され治療されている状態であるが,その中の高血圧性あるいは動脈硬化性脳出血の死亡率は,約50〜60%といわれている。この出血に対して,病変が脳内血腫を主体としたいわゆるspace occupying lesionであるという観点から,1950年代に入つて開頭血腫除去手術がおこなわれ始めた。これまでのところ1957年Guillaume 150例,1959年Mckissock 208例以外はいずれも報告する症例数が約50例ないしそれよりずつと少なく,急性期を経たあとで手術する場合が多いため,予後を改善する上で一般に手術療法と保存療法といずれがより優れているかに返答するには物足りない。
 これらの場合,いわゆる特発性あるいは外傷性脳内血腫と異なって,あらかじめ全身疾患を持ち,正常でない血管から出血するのであるから,単に血腫だけに目を奪われていては卒中の治療にならないのは当然である。したがつて脳外科的処置をおこなうに当つては,これまでになされた内科的学識と治療法を知つた上で,脳内血腫のために発生する頭蓋内の病態を把握することが根本である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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