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杏林間歩
青山胤通博士と読書
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ページ範囲:P.791 - P.791
文献購入ページに移動 昔の学者はよく勉強したようである。青山胤通博士がドイツに留学したのは明治16年から明治20年までが最初であつたが,そこでは小金井良精,佐々木政吉,緒方正規,森林太郎,三浦守治,榊俶,高橋順太郎,樫村清徳,宮本叔などの医学者が相前後しており,啓蒙期の日本の医学の推進に役立たせる勉学に余念がなかつた。
余念がなかつたとは言つても,鴎外の「独逸日記」などによれば,当時のドイツ留学生は適当に青春彷徨の歓を尽くしていたようなところもある。当時文部省から支給された留学費は,年額1,800円で,その頃の相場で1円は3マルク75ペニッヒに相当したというから,留学生としての体面は十分に保てたはずである。
余念がなかつたとは言つても,鴎外の「独逸日記」などによれば,当時のドイツ留学生は適当に青春彷徨の歓を尽くしていたようなところもある。当時文部省から支給された留学費は,年額1,800円で,その頃の相場で1円は3マルク75ペニッヒに相当したというから,留学生としての体面は十分に保てたはずである。
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