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文献詳細

雑誌文献

medicina1巻6号

1964年09月発行

診断のポイント

喀血

著者: 三上理一郎1

所属機関: 1東大中尾内科

ページ範囲:P.851 - P.853

文献概要

診断の進めかた
 かつての時代,喀血は肺結核の臨床的象徴でもあつた。しかし,こんにちではその原因として肺がん,気管支拡張症など多くの疾患を鑑別しなければならない。喀血および血痰は気道における出血が原因となつて,血液そのものまたは血液を混じた痰を喀出することを意味している。このような主訴を有する患者に接したさい,つぎのように診断を進めてゆく。(1)その出血が気道からのものであることを確かめなければならない。食道の静脈瘤破裂や胃上部よりの出血,すなわち吐血とまちがわれることがある。(2)気道出血をきたす原因疾患をいろいろ念頭にうかべる。(3)診察および検査を進め,原因疾患を発見確認してゆく。喀血ならびに血痰は患者にとつてかなりショックであるので,もつとも重大な肺がんをまず念頭において,なるべく早急に診断を決めることが必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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