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文献詳細

雑誌文献

medicina1巻6号

1964年09月発行

文献概要

私の意見

急性虫垂炎を否定する所見

著者: 百瀬節生 小峰生

所属機関:

ページ範囲:P.904 - P.904

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 夜中に「先生,盲腸じやないでしようか」といつて患者がくれば,夜中に手術するなんてことは余り好まぬから出来ればそうでなければよいがと私は思うのであるが,そんな時触診したり,白血球などを調べたりして急性虫垂炎(以下単に虫垂炎)らしくないようなら「盲腸のようでもなさそうですからまた明日お出で下さい」というようなことをいつて帰すわけであるが,やはり医師も患者も多少の不安は残るものである。この際はつきりと「盲腸じやありませんよ」と相当の確実さをもつて答え得るような所見はないものであろうか。この点に関して手許の数冊の教科書を調べてみたが当然のことながら虫垂炎を肯定する所見はあるが否定する所見は書かれていない。
 またこのような質問を友人にたずねてみても「ブルンベルクのないこと」とか「白血球増多のないこと」など虫垂炎を肯定する所見の逆をいつていて積極的に否定する所見にはみな案外と無関心のようである。もちろん以上の答えは誤まりではないが,しかし少し外科をやつたことのある者はブルンベルク徴候が陰性でもあるいは白血球が多くなくても立派に虫垂炎のことがあるので虫垂炎を肯定する所見の逆はかならずしも虫垂炎を否定する所見とはなり得ないのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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