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文献詳細

雑誌文献

medicina1巻6号

1964年09月発行

メディチーナジャーナル 精神衛生

社会の動きと精神衛生

著者: 大谷藤郎1

所属機関: 1厚生省公衆衛生局精神衛生課

ページ範囲:P.939 - P.939

文献概要

 昨年4月,大阪で開かれた日本医学会総会に招かれたケンブリッジのバンクス教授は,「世界を広大な未開発の農業地帯と,開発され工業化された社会との二部分に分けて考えると,工業化された社会の疾病像は,必然的に精神医学と老人医学とが重要視され,それらが急速に発展する」という指摘を行なつた。
 わが国のように急速に工業化された社会で,「将来,何がもつとも重要な医学上の課題であるか」という点については,基本的には,やはり将来とても社会階層間の格差による疾病像,受療像の格差であると考えるのだが,それをひとまずおいて,生物的側面にのみおもきをおいて考えるとすると,まさにバンクス教授の指摘のとおり,精神と老人問題が焦点となることはまちがいない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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