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文献詳細

雑誌文献

medicina1巻7号

1964年10月発行

文献概要

グラフ

ヘマトクリット測定法の変遷

著者: 福武勝博1 鈴木弘文1

所属機関: 1東京医大中険科

ページ範囲:P.980 - P.982

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 健康者の血液には一定量の赤血球が含まれ,血漿に対する量的比例はほとんど一定の値を示している。全血液に対する赤血球量の%を血球容積またはヘマトクリット%値と名づけ,検査法としても再現性が高いことから,診療上,たいせつな検査法の一つとなつている。従来,血球容積の測定法としては,○遠心法,○屈折計法,○比重法(硫酸銅法),○粘稠度法,○色素法,○アイソトープ法,○電気伝導法(電子ミクロヘマトクリット法),○他の測定値より算出する法,などがあるが,このうちかんたんに実施でき,しかも比較的信頼度が高く,日常の臨床検査法としてもつとも多く用いられているのが遠心法すなわちヘマトクリット法である。以下この遠心法の変遷についての概略を述べてみたいと思う。
 血液を遠心沈澱して,その赤血球容積を測定する検査法は1890年にドイツの生理学者Blixが初めて考えたものである。その後,Hedin(1891年),Daland,Gartnerらが相つづいてヘマトクリット管を発表した。これらはいずれも手動式の遠心分離機を用いて測定する方法で,ヘマトクリット管の構造あるいは抗凝固剤の使用法などに難点があり,したがつて測定値も不安定であつたようである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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