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文献詳細

雑誌文献

medicina1巻7号

1964年10月発行

海外のシンポジウムから

肥満症に対する飢餓療法の臨床的観察,他

著者: 森皎祐

所属機関: 1慶大相沢内科

ページ範囲:P.1104 - P.1104

文献概要

 過去2年間に観察した約600例の肥満症に関する知見は次のごとくである。
 1)長期に及ぶ間歇的飢餓療法は,無害で且つ有効な減量手段である。2)糖尿病の合併率は高く,約40%にこれを発見した。3)水分蓄積を伴う良性高血圧の合併も多く,これらの患者は,飢餓の第1日目に6〜10ポンド減量を示すことがよくある。4)食塩制限はしばしば減量の円滑化に役立つ。5)飢餓療法中常に過尿酸血症が起こるが,痛風患者が,このため急性発作を起こすことはなかつた。6)体重300ポンド以上の症例の60%強に胆石症がみられた。7)肝機能障害は殆どが飢餓療法中に正常化した。8)症例の選択を適切に行ない,治療中の運動を制限すれば,飢餓療法による副作用は最小限に食い止められる。9)長期観察の結果,肥満者には,飢餓療法がよく奏効するもの,比較的よく奏効するもの,全く無効なものの三型がある。10)BMRやPBIの値には影響がない。11)飢餓療法中にみられる食欲不振は過ケトン血症,塩分制限,脂質移動増大などの結果起こるものである。12)1回の飢餓の期間を2週間以上延長することは不必要であるが,重症例では年に3〜4回繰返し行なうと,減量に著明な効果がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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