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文献詳細

雑誌文献

medicina1巻8号

1964年11月発行

文献概要

海外のシンポジウムから

高窒素血を伴う代謝性アルカロージスのカリウム療法(A. Eichenholz et. a1.),他

著者: 森皎祐

所属機関:

ページ範囲:P.1219 - P.1219

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 高窒素血症を伴つた代謝性アルカロージスの治療には,カリウムがたいせつであるとされているが,実際には,かかる治療成績の報告は少ない。報告者らは12例の症例にカリウムの大量を用い,好成績をえたので報告する。
 第1群に属する5例の患者は,いずれも幽門閉塞に伴ういちじるしい嘔吐を呈したもので,入院時昏睡ないし半昏睡の状態にあり,著明な脱水状態にあつた。血清化学では,最高132mg/dlに達するB.U.N.のほか,pH7.72,クロール44mEqL,カリウム1.9〜4.2mEq/L,CO2抱合能33〜66mEq/Lなどの数字がえられた。これら患者に対し,初め4日間,毎日220〜300mEq,つぎの4目間130〜190mEqという大量のカリウムを点滴静注によつて与えた結果,アルカロージスはいずれも5日以内に改善され,高窒素血症は8日目までに1例をのぞきまつたく正常化し,臨床的にも完全に回復した。第II群に属する7例の原病は種々であり,第I群との違いは,脱水状態がなく,あるものは浮腫を呈した点である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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