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正常値
日本人成人の赤血球および白血球数
著者: 野村武夫1
所属機関: 1東大中央診療部
ページ範囲:P.1350 - P.1351
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健常成人の赤血球数男子500万,女子450万そして白血球数7,000という数値はずつと古くから内外の教科書ないし検査書に記載されてきた値であるが,これを現在の日本にそのままあてはめてよいか否かは疑問である。従来わが国にも正常血液像に関する調査報告はけつして少なくないが,その大多数は特定の地域の特定の集団についての小規模な観察にとどまり,しかも検査法の統一を欠くなどの難点があり,日本人の正常値とみなすことはかならずしも妥当ではないように思われる。
日本人成人の正常値として普遍性のある数値をうるためには,まず健常者の選択基準を決め,広く日本全域から特定年齢および職業に偏しない集団を選ぶ必要があり,また,検査法に関しても検査器具,手技,採血方法などを厳密に規定せねばならない。このような調査は1研究者あるいは1研究機関の力で実施できるものではなく,多数の研究機関および研究員の協力にまたねばならぬことはいうまでもない。
健常成人の赤血球数男子500万,女子450万そして白血球数7,000という数値はずつと古くから内外の教科書ないし検査書に記載されてきた値であるが,これを現在の日本にそのままあてはめてよいか否かは疑問である。従来わが国にも正常血液像に関する調査報告はけつして少なくないが,その大多数は特定の地域の特定の集団についての小規模な観察にとどまり,しかも検査法の統一を欠くなどの難点があり,日本人の正常値とみなすことはかならずしも妥当ではないように思われる。
日本人成人の正常値として普遍性のある数値をうるためには,まず健常者の選択基準を決め,広く日本全域から特定年齢および職業に偏しない集団を選ぶ必要があり,また,検査法に関しても検査器具,手技,採血方法などを厳密に規定せねばならない。このような調査は1研究者あるいは1研究機関の力で実施できるものではなく,多数の研究機関および研究員の協力にまたねばならぬことはいうまでもない。
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