文献詳細
文献概要
今月の主題 新鮮脳卒中 綜説
新鮮脳卒中の問題点
著者: 田崎義昭1
所属機関: 1北里大内科
ページ範囲:P.10 - P.11
文献購入ページに移動これからの脳卒中対策
安静に対する考え方の推移 新鮮脳卒中に何よりも重要なことは絶対安静であるとされている.確かに高血圧性脳出血の如く,急性期に約50%が死亡する疾患では,安静の保持こそは侵すべからざる鉄則であった.しかし,わが国の脳卒中死の推移をみると,脳出血対脳硬塞の比は年々低下し,昭和46年には1.3に達している.すなわち脳出血は,生活環境,食事などの改善,成人病対策の進歩,高血圧症に対する治療の発展と共に今後ますます減少すると思われる.
一方アテローム硬化を基盤とする脳硬塞は老人の増加と共に更に増加しつづけるであろう,脳硬塞の急性期の死亡率は20-30%に過ぎず,安静を重視し過ぎた消極的な処置は,拘縮,硬直,痴呆化,意欲消失などを促進させ,時には肺炎などの合併症を誘発させて死亡率を高める恐れさえある.
安静に対する考え方の推移 新鮮脳卒中に何よりも重要なことは絶対安静であるとされている.確かに高血圧性脳出血の如く,急性期に約50%が死亡する疾患では,安静の保持こそは侵すべからざる鉄則であった.しかし,わが国の脳卒中死の推移をみると,脳出血対脳硬塞の比は年々低下し,昭和46年には1.3に達している.すなわち脳出血は,生活環境,食事などの改善,成人病対策の進歩,高血圧症に対する治療の発展と共に今後ますます減少すると思われる.
一方アテローム硬化を基盤とする脳硬塞は老人の増加と共に更に増加しつづけるであろう,脳硬塞の急性期の死亡率は20-30%に過ぎず,安静を重視し過ぎた消極的な処置は,拘縮,硬直,痴呆化,意欲消失などを促進させ,時には肺炎などの合併症を誘発させて死亡率を高める恐れさえある.
掲載誌情報