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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻1号

1973年01月発行

文献概要

今月の主題 新鮮脳卒中 疫学

日本の脳卒中はどう変わりつつあるか

著者: 広田安夫1

所属機関: 1九州歯科大内科

ページ範囲:P.12 - P.13

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死亡統計に基づく脳卒中死亡率の推移
 まず,死亡統計に基づいて,わが国の脳卒中死亡率の最近の推移をみてみよう.表は人口動態統計1)に記載されている昭和42,43,44年の性別粗死亡率および訂正死亡率である.粗死亡率では総数ならびに男子においてなお軽度ながら上昇する傾向が認められるが,訂正死亡率では総数,男・女いずれをとっても次第に下降する傾向がうかがわれる.これは人口構成の老齢化と脳卒中が高齢者に多発するためと考えられるが,とにかく脳卒中死亡率の推移に最近頭打ちが認められることは注目すべきであろう.戦前,昭和14年頃に人口10万対183のピークに達し,戦時中には著しく減少,そして戦後は昭和23年に118の低値から次第に上昇し,最近では170台に達していたわが国の脳卒中死亡率は,現在頭打ちの状態にあり,再び戦前のピークに達することはないのではないかとも考えられる.しかし,戦後のピークは昭和40年で,粗死亡率でみると男子で人口10万対192.2,女子で160.0となっており,その後表のように下降傾向をこの数年間示しているが,実は昭和45年の資料で試算してみると再び上昇して男子で192.1,女子で161.5と昭和40年のピークに等しくなっている.このように末だ一定した傾向に達していないので,今後の動きが問題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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