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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻1号

1973年01月発行

文献概要

今月の主題 新鮮脳卒中 成因

一過性脳虚血発作の成因をめぐって

著者: 高木康行1

所属機関: 1都済生会中央病院・神経内科

ページ範囲:P.18 - P.19

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 一過性脳虚血発作という診断名は,基本的には臨床症状からつけられたものであり,病理的変化を基礎にしたものではない.したがって広い意味では脳,主にその局所に一過性の循環障害がおこり,急激な神経症状を呈するが,発作は短時間(主に1時間以内長くても24時間以内1))で消失し,あとに何らの神経症状を残さないものをいう.この発作では脳塞栓は伴わないと定義されているが,臨床的にこれを確実に裏づけることのできない場合も多い.また,発作は同じような症状をくりかえすことが重要である.これらのうちアテローム硬化症と密接な関連をもち,後に高頻度に脳硬塞を呈するものがあることが知られ2),その予防という観点から臨床家の注目を集めることになった.
 その成因分類 一過性脳虚血発作は種々な成因をもつが,臨床症状・病態生理学的な面よりA)反復性局所性脳虚血発作,B)低血圧を伴う脳虚血発作,C)その他の一過性脳虚血発作に分類されている1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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