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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻1号

1973年01月発行

文献概要

今月の主題 新鮮脳卒中 予後

失語症の障害部位と予後

著者: 長谷川恒雄1

所属機関: 1伊豆韮山温泉病院

ページ範囲:P.60 - P.61

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失語症の発生
 脳卒中における失語症の発生は,左脳半球に病巣が形成された場合といってよい.これまで左利きでは右半球の損傷で失語症がおこり,右利きでは左半球の傷害で失語症がおこるといわれてきたが,利手に関係なく左脳半球が言語について優位性をもつことが明らかになった.一般に失語症は左半球に病巣をもつ場合が95%,右半球に病巣がある場合が5%といわれる.左手利は特殊の立場をもっていて失語症は少ない.左手利の失語症の内わけは右半球の傷害20-30%,左半球の損傷70-80%である.また左手利の失語症は左,右いずれの半球の障害にせよ,右手利の失語症にくらべ一般に軽症で,回復も早く良好の経過をとる.言語に関する右半球はごく簡単な読字,書字の機能があるのみで,高位の表出性の言語機能はみられない.言語機能は幼児期以後に半球優位性ができる.したがって,2歳以前の左半球損傷は持続的な失語症をきたさない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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