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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻11号

1973年11月発行

文献概要

今月の主題 高血圧とその周辺 本態性高血圧と昇圧物質

本態性高血圧とカテコラミン

著者: 上羽康之1

所属機関: 1神戸大・第1内科

ページ範囲:P.1392 - P.1393

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カテコラミンの発生
 われわれの日常生活において発生する種々の要因,例えば精神的興奮や肉体的労作を促すような因子が次々に生じ,これに対し個体はそれぞれの特色をもって反応する.この反応には内部環境維持機構を作動してできるだけ生存に適した内的環境を変えないでおこうとする反応と,外的侵襲に対して積極的に反応し,精神的興奮,肉体的労作により反応する場合とがある.いずれにしても生体にとり最も快適な状態を確保するために反応するが,この際に自律神経系と各種内分泌機能の活動程度を変えることにより適応しようとする.
 このうち交感神経活動は精神的興奮,肉体的労作,寒冷刺激,さらに騒音に対しても緊張亢進をもって反応する.この騒音も精神的興奮の1つとして考えられるが,種々の試験をうけた際,自動車の運転,精神的緊張をたかめるような映画やTVを観た場合に血中あるいは尿中において交感神経系の作動物質であるカテコラミン(以下CAと略)の増量をきたすことが知られている.またトレッドミル,エルゴメーター等により運動負荷を施した際,同様にCAの増量が認められるのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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