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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント

I 循環器・高血圧 1.強心剤としてのジギタリス

ジギタリス中毒とその対策

著者: 宮下英夫1 佐藤友英1

所属機関: 1帝京大第1内科

ページ範囲:P.1528 - P.1530

文献概要

 ジギタリスは1785年William Witheringが始めて臨床の場に導入してから,今日まで,①うっ血性心不全,②心房細動を主とした上室性起源の不整脈の治療には欠くことのできない薬剤の1つである.最近では強力な利尿剤使用による電解質異常,ことに低K血症がましたこと,および平均寿命の延長による老人の増加がジギタリス中毒を明らかに増しつつある.ジギタリスは元来,治療域と中毒域との範囲のせまい薬剤であり,治療量は中毒量の60%に及ぶ.老人や基礎心疾患の進行例では,治療域と中毒域との差はさらにせまくなり,中毒をおこし易くなる.中毒はジギタリス投与患者の10〜20%にみとめられると考えてよい.
 ジギタリス中毒に特徴的で,それのみで診断可能な確証をうることは困難であり,したがって臨床症状,不整脈の発現に注意し,早期発見につとめることが大切である.とくに生命の危険を伴うものは不整脈であり,ただちに治療を要することが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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