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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント

I 循環器・高血圧 1.強心剤としてのジギタリス

ジギタリスの効かない心不全

著者: 友松達弥1

所属機関: 1神戸大・内科

ページ範囲:P.1532 - P.1533

文献概要

ジギタリスの効く心不全
 ジギタリス(以下ジギと略す)の効かない心不全を考える前にジギの効く心不全を明らかにしておくことが必要である.
 心不全は心筋の器質的障害による筋因性の場合と,機械的因子すなわち量負荷(流入負荷)または圧負荷(流出負荷)による場合とがある.左心に対する流入負荷の場合よくきく.大動脈閉鎖不全,僧帽弁閉鎖不全であり,いずれも低拍出性心不全である,それ以外の弁膜症,高血圧症,先天性心疾患の場合にも奏効するが,効果の充分でないことがある.ことに僧帽弁狭窄で頻脈性心房細動を伴わない時はジギが効かない部類に入る.筋因性心不全とは心筋硬塞,心筋症,心筋炎であるが,前者機械因性にくらべ効果が劣る.殊に心筋の障害が広く,線維化して心筋にとって代わると効かなくなる.心筋炎の場合,心外性要因によって心筋が障害される場合も効かない.筋因性の場合は複雑である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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