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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント

I 循環器・高血圧 9.高血圧を治療する際のポイント

本態性高血圧の生活指導

著者: 岸本道太1

所属機関: 1国立東京第一病院・循環器科

ページ範囲:P.1590 - P.1591

文献概要

厳しい規制は実用的でない
 本態性高血圧症の生活指導というテーマであるが,私は本態性高血圧症に特有な生活指導というものはないと考えている.もちろん,私は国立東京第一病院において,高血圧の精密検査を受けた入院および,外来患者についてパンフレットを用いての生活指導を行なっているが,これは何も高血圧症に限られた生活指導ではなく,40歳以上の中年を過ぎた人々の健康維持に対する生活指導といった方がよいであろう.本態性高血圧症の大多数(97%以上)が良性であり,急性の脳,心臓,腎の合併症のない限り,平常の仕事を行ない,生活を楽しみながら生活することが原則であるから,あまり,患者が実行できないような厳しい生活や食事の規制は実用的ではない.私は高血圧症で良性のものに対してはあまり厳しい生活指導は行なわず,降圧剤の使用に頼っても血圧を正常またはそれ近くに維持することとしている.いいかえると高血圧症の治療の第一は降圧剤であり,生活指導,食事療法は第二義的なものと考えている.
 しかし,そうはいっても高血圧症のうち軽症なもの,特に初期高血圧で不安定な血圧動揺を示すものは生活指導や食事の規制のみで降圧剤を使用しなくても,血圧が正常値に管理されるものも少なくない.この意味で,高血圧症での生活指導の役割は軽視できないものである.以下,私が高血圧患者に行なっている生活指導を具体的に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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