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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント II 呼吸器 3.喘息治療の問題点

気管支喘息と減感作療法

著者: 光井庄太郎1

所属機関: 1岩手医大・第3内科

ページ範囲:P.1612 - P.1613

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減感作療法の機序
 気管支喘息患者の血漿ヒスタミン,セロトニン値およびブラジキニン破壊酵素活性は発作のないときは健常者と大差はないが,発作の際にはヒスタミン,セロトニン値は上昇し,ブラジキニン破壊酵素活性は低下してブラジキニンの増加を思わせる.このような変化は発作の強いものほど著しいようである.したがって喘息発作ではこれらの物質(chemical mediator)が,その薬理作用により気管支の平滑筋の攣縮や分泌亢進を起こしたものといえる.
 アレルギーの立場からは,人体に抗原が侵入してこれを感作すると侵入した抗原に対応する抗体(reagin)が作られる.この抗体はIgEでマスト細胞や好塩基球の表面に付着している.マスト細胞や好塩基球のなかには上述のchemical mediatorを有する顆粒がある.抗原が再び侵入し,上記細胞表面のreaginとの間に一定の比率で抗原抗体結合物が形成されると,細胞内の酵素は活性化して顆粒を細胞外に脱出せしめ,chemical mediatorが遊離する.喘息発作の際にchemical mediatorが増加するのはこのように説明できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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