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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント III 消化管 8.消化管疾患治療薬

制酸剤と抗コリン剤の処方とその使い方

著者: 安部井徹1

所属機関: 1東邦大第2内科

ページ範囲:P.1688 - P.1690

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 制酸剤と抗コリン剤は,因習に従って漫然と画一的に処方される傾向にある.最近このことに批判的な議論が多くなったことは喜ばしいことではある.しかし胃腸疾患の病態生理は複雑で,未知の分野が多すぎるし,これらの制酸剤や抗コリン剤による変化もよくわかっていない.一方,両剤の限界も最近になってようやく理解されはじめ,これに従った薪しい処方や使い方が確立されねばならない時期に達しているが,現在あるものは混乱だけであって,一定のコンセンサスは得られていないのである.
 したがって,ここでこの問題を取りあげるとすれば,私見を述べるに止どめざるを得ない.元来薬物を用いるためには,個々の患者の病態生理をつかんで,薬物のもつ薬理作用と併せ考えて適応を選び処方を工夫すべきである.しかし,消化器病ではこのことは至難のわざである.ある程度try and errorを繰り返さざるを得ない.しかしそれでも因習にとらわれた画一的な処方よりはましである.筆者はその意味もあって,両者の合剤を使用することには賛成できないし,そういう処方をここに示す気にもなれない.それよりもこれらの薬物を投与するときに考えてみなければならない幾つかの事項を示したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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