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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント

IV 肝・胆・膵 4.肝疾患に合併症のみられたとき

妊娠と黄疸

著者: 浪久利彦1 黒田博之1

所属機関: 1順大消化器内科

ページ範囲:P.1712 - P.1713

文献概要

 妊娠は本来生理的な現象であるが,末期には肝機能検査成績に軽度の異常を示すものが多い.無黄疸性であるが,生化学的には,妊娠9カ月で,アルカリフォスファターゼ(Al-P),ロイシンアミノペプチターゼ(LAP),コレステロールの軽度上昇がみられ,分娩直前にはコリンエステラーゼの減少とγ-グロブリンの軽度上昇がみられる.膠質反応,トランスアミナーゼには異常なく,色素負荷試験は妊娠末期に軽度の異常をみることがある.これに対して肝は形態学的に正常である.妊娠中に黄疸が現われることはごく稀で,2,000〜4,000例に1例であり,その原因は表に示すように各種肝胆道系および血液疾患に基づき,その確診が治療の根本である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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