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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント V 内分泌 1.間脳—下垂体疾患の治療

尿崩症の新しい治療法

著者: 吉田尚1

所属機関: 1自治医大第2内科

ページ範囲:P.1736 - P.1737

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 尿崩症は,抗利尿ホルモンADHが不足しているために口渇,多飲,多尿を呈している疾患である.したがって,その治療法はADH製剤を投与して,その不足を補充することが最も合理的な治療法と考えられる.従来,このような治療目的をもって投与されたものに油性タンニン酸ピトレッシンがある.これは1アンプル中に5単位のADH(バゾプレシン)を含んでおり,筋肉注射により24〜72時間有効である.よく振盪してからアンプルより吸引するなど使用上の注意を怠らなければ効果は確実であり,副作用も少ないのであるが,経口投与が無効なことが最大の欠点である.補充療法という性質上,患者は2〜3日おきに注射をするという苦痛に一生悩まされることになる.また,ごく稀であるが抗体が発生してこの注射が無効になる例があるといわれている.したがって,最近の治療法は注射をさけて,経口投与あるいは鼻腔噴霧など簡便な投与法により,尿崩症の症状を軽減することを目的として開発されている.以下,これらの治療法を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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