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特集 これだけは知っておきたい治療のポイント VI 糖尿病・代謝 2.糖尿病合併症の治療
糖尿病性腎症の治療のポイント
著者: 河村真人1 高田武夫1
所属機関: 1慈大第4内科
ページ範囲:P.1768 - P.1769
文献購入ページに移動腎症の発症および進展の原因については,遺伝,インスリン以外の内分泌因子,とくに成長ホルモン,あるいは免疫機序などが考えられているが,最も一般的なものはインスリン作用不足によるとする考えであろう.このために糖尿病状態をコントロールすることが従来腎症予防の第一の方法とされてきたが,血糖値を指標とした糖尿病のコントロールが良好な症例にも腎症が合併すること,糖尿病性細小血管症が血糖値の高低よりも血中インスリンが低反応を示す群に発生頻度の高いことから,血糖コントロールの効果に疑問を抱くものもあるが,インスリン作用を正常に近づけるために血糖値を指標としたコントロールがまず必要である.
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