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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント VI 糖尿病・代謝 2.糖尿病合併症の治療

糖尿病患者が妊娠したとき

著者: 大森安恵1

所属機関: 1東女医大内科

ページ範囲:P.1772 - P.1773

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 "糖尿病妊婦だからといって特別の処置があるわけではない.妊婦においても糖尿病そのものの基本的治療方針は変わらない.よりよい結果を得るには,糖尿病妊婦にまつわる特殊な問題に精通することである".これは,Lars HagbardがPregnancy and Diabetesの治療欄冒頭にかかげた文章である.Whiteは,糖尿病妊婦のnatural courseは一口に言ってdestruction(破滅)であるとのべた。糖尿病妊婦のnatural courseとは,糖尿病患者が治療をうけず,または不完全な治療のまま妊娠を経過することで,これはインスリンのなかった時代の糖尿病妊婦の運命に等しい.すなわち,たとえ妊娠しても流産または子宮内胎児死亡が起こり,母親は糖尿病昏睡で命を失うものが多かった.
 1921年Banting & Bestによって,インスリンが発見され,治療法が確立されてから,糖尿病患者の寿命は,ほぼ非糖尿病者のそれに近づいたが,同じように妊娠もまた,正しい治療と管理下にあれば,無事分娩を終了し得るようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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