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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント VII 神経 2.内科医に必要な精神科治療のポイント

老人痴呆の生活管理

著者: 大友英一1

所属機関: 1浴風会病院・内科

ページ範囲:P.1818 - P.1819

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 正常に発達した知的活動が後天的病変により低下崩壊した状態が痴呆であり,老化と共に起こり社会的生活に支障をきたした状態が老年痴呆である.老年痴呆はその速度は種々であるが,絶えず進行性であり,痴呆そのものを治すことは不可能である.しかし進行をできる限り抑制する努力はなし得,また痴呆に伴ういろいろな症状,例えば興奮抑うつ状態,錯乱状態またせん妄などに対してはある程度積極的な治療を加え得る.また痴呆化に伴う種々の生活の乱れ,例えば長期臥床,失禁,褥創,感染などに対しての対策が存在する.全身のいろいろな症状に対する処置は痴呆化の進展に対してはある程度抑制的な働きをなし得るものと考えられる.老年痴呆の診断については必ずしも明確なcriteriaがなく,その統計について問題もあろうが60歳以上の約3〜6%,65歳以上の7%程とされており,外国の報告でも65歳以上で5%内外とされている.重篤な老人痴呆例は精神病院に収容されているが,老人痴呆の大部分にあたる比較的軽症例は一般家庭,老人ホームまたは老人病院にいると考えられる.本稿では内科的方面から主としてこのような症例を対象として述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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