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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント IX 血液・造血臓器 2.白血病,顆粒球減少症の治療

顆粒球減少症治療のコツ

著者: 滝川清治1 野田明孝1

所属機関: 1名市大第2内科

ページ範囲:P.1898 - P.1899

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 顆粒球減少症(Granulocytopenia)とは末梢血中の顆粒球数が減少した状態をさし,狭義には赤血球系,栓球系に異常を認めず,選択的に顆粒球のみ減少する状態をいい,これがShultzの報告した古典的な顆粒球減少症(Agranulocytosis)であり,熱発,壊疽性口内炎等の症状で急性に発症する疾患である.広義には,症候的に他疾患に顆粒球減少が付随してみられるもので,臨床の実際に当たって頻度が高い.本稿では狭義の顆粒球減少症を取り扱うこととする.顆粒球減少症の90%前後の症例は発症前に薬剤服用の既往があり1),薬剤と顆粒球減少症との因果関係は,アミノピリン等でみられるアレルギー性機転とフェノチアジン系薬剤で代表される中毒性機転が考えられている.したがって,顆粒球減少症の治療の第1歩は,原因の除去,すなわち,原因薬剤を究明し,服用を中止することである.次に病態の中心となる感染症に対する対策が治療の主体となっている.この疾患は原因薬剤服用中止後5〜7日で白血球数の回復がみられるため,とくにこの期間をいかに切り抜けるかが大切な点である.顆粒球を増加させる治療法は,副腎皮質ホルモン以外みるべきものはなく,この点での顆粒球減少に対する治療の著しい進歩はないといえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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