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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント IX 血液・造血臓器 3.薬剤使用のコツ

血液疾患における蛋白同化ホルモン療法

著者: 高久史麿1

所属機関: 1自治医大第1内科

ページ範囲:P.1908 - P.1909

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 造血促進作用を有する男性ホルモン,androstane系蛋白同化ホルモンは表に示した如く数多くあり,その大部分のものは現在各種貧血症の治療にひろく用いられている.これらのホルモンは,174の位置にメチルあるいはエチルのアルキル基を有するかどうかによってnonalkylating androstaneとalkylating androstaneにわけられるが,アルキル基の有無は後述の如く副作用の発現に関連のあることが示されている.
 男性ホルモン,蛋白同化ホルモン(androstaneと総称)はともに造血因子エリトロポエチンの産生亢進をもたらし,その結果,赤血球の生成を増大させることが動物実験あるいは臨床的観察によって示されている,しかし,このエリトロポエチンの産生亢進がandrostaneによる造血亢進の唯一の機序であるかどうかについてはなお議論があるようで,androstaneはエリトロポエチンに対する造血幹細胞の反応も同時に亢進させることを示す事実なども報告されている.その機序の詳細は別として,androstaneが赤血球の生成を亢進させることは間違いなく,そのためこの系のホルモンは理論的にはあらゆる貧血症に対して有効なはずである.しかし臨床的には骨髄低形成,骨髄線維症の患者で用いられることが多く,また最近人工腎臓による透析治療中の患者の貧血の治療に有効であることが判明してきている.したがって,本文ではこれらの疾患に重点をおいてandrostaneの血液疾患に対する治療効果を紹介したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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