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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント X 腎・泌尿器 1.腎炎とその周辺

腎炎患者の扁摘の適応について

著者: 佐藤仁1

所属機関: 1三井記念病院・小児科

ページ範囲:P.1944 - P.1945

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 ネフローゼに対するステロイドホルモン剤以外は,現在のところ腎炎に対する特効薬はない,したがって,治癒傾向が思わしくない急性腎炎,紫斑病性腎炎,遷延性糸球体腎炎,慢性腎炎,無症候性蛋白尿,反復性血尿症候群などの治療の手段として,病巣があればこれを除去することが,広く行なわれている.病巣として問題になるのは慢性扁桃炎,う歯,副鼻腔炎などがおもなものである.
 扁桃摘出が腎炎の経過に好影響を与えることがあることは,古くから知られており,Volhard(1905)は急性腎炎の回復期(4〜6週以内)に病巣除去により腎炎を根治させることができるとして,扁桃摘出を提唱した.その後も扁摘により腎炎の経過を短縮させたりまたは好影響があったという報告は多い.しかし,一方では扁摘は腎炎の経過になんらの好影響を与えないという報告やむしろ症状が悪化したという報告も多い.結局,扁摘が腎炎の経過に好影響を与えるか否かに関しては,一致した意見がないのが現況である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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