icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント X 腎・泌尿器 4.腎不全とその対策

急性腎不全の輸液

著者: 加藤暎一1

所属機関: 1慶大内科

ページ範囲:P.1958 - P.1960

文献購入ページに移動
 急性腎不全の治療として近年透析療法の普及がめざましいが,輸液を含めた内科的体液管理を軽視しては終局的予後の向上は望めない.乏尿期の体液バランスのポイントは次の三点である.1)過剰な水・Naが投与されると腎はそれを排泄し得ず体内に停滞する.2)stressが強いため脂肪や蛋白のcatabolismが亢進し,内因性の燃焼水も増加するし,さらに細胞破壊によって遊離する水も増加する.3)細胞内の多量のKが細胞外に遊出し,高K血症をきたしやすい.
 したがって,他の疾患に比べ急性腎不全ではきめの細かい配慮が必要である.詳細な既往,綿密な現症の把握,不可欠な検査所見などから,総合的に判断を下さねばならない.しかも病態がdynamicに時々刻々変化するため,余り時問的余裕がない点にむずかしさがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら