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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント XI 感染症 1.諸種感染症の治療

破傷風の治療と予防

著者: 海老沢功1

所属機関: 1東大医科研内科

ページ範囲:P.1982 - P.1983

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概説
 破傷風は感染症に属するが,病気の成り立ち,病像,治療の立場から眺めるとむしろ中毒性疾患といってよい.すなわち,この世の中で2番目に強力な毒物である破傷風毒素による中毒のため,全身の横紋筋が硬直ないしけいれんを起こしてくる疾患である.破傷風の治療に抗毒素療法は不可欠であるが,重症例では抗毒素を注射しても症状は悪化し,内科的に用いうる抗けいれん剤では押えられなくなる.麻酔科医の応援が是非必要である.また,たとえ麻酔科医の協力をえても,患者は絶えず頻死の状態にさらされている.その予後は発病後あるいは開口障害が明らかになってから2〜3日の中にきまってしまう.すなわちonsettimeが48時間以内なら,たとえその後5〜6日生きのびても約80%の患者は死亡する.onset timeが3日以上の時は致命率は15%以下にさげられる.
 以上の如く治療が非常に難かしく,致命率が高いため,積極的な予防対策に重点をおかれている.予防接種の効果はきわめてよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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