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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント

XI 感染症 3.化学療法剤の使い方

合成ペニシリンの使いわけ

著者: 塩田憲三1

所属機関: 1阪市大第1内科

ページ範囲:P.2008 - P.2011

文献概要

 合成ペニシリン(正確には半合成ペニシリン,semisynthetic penicmin)の事実上の夜明けはBatchlor等によって,PC・G,PC・Vを酵素的に分解して容易に大量の6-aminopeniciUaic acidを生産できるようになった時からはじまる.この6-aminopenicillaic acidを基に開発され,広範な基礎的ならびに臨床的検討を経て我国で市販にまでこぎつけた合成ペニシリンは,現在のところ12種ある.我国の諸研究者によって目下検討中の合成ペニシリンが数種あるが,本稿では市販のもののみを対象として解説する.
 その構造式,一般名,市販名などは,表に一括したが,本表ではさらに,これらの合成ペニシリンをその特長に従って3群に大別した.すなわち,第1群,抗菌スペクトルおよびそのスペクトル内の各種の細菌に対する抗菌力の強さがほぼPC・Gに匹敵し,しかも内服によって充分な血中濃度の得られるもの.第2群,主としてpenicillinase(以下pcaseと略す)耐性ブドウ球菌が対象となる一群.第3群,抗菌スペクトルがグラム陽性菌から陰性菌まで広い範囲に及ぶ一群である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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