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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント

XI 感染症 3.化学療法剤の使い方

抗ウイルス剤の現状

著者: 松本慶蔵1

所属機関: 1東北大第1内科

ページ範囲:P.2014 - P.2015

文献概要

 近年の抗菌性抗生物質の目覚ましい進展は驚くべきであるが,感染症中でも主要な位置を占めているウイルス感染症に有効な薬剤は極めて少なく,実際臨床に応用されている抗ウイルス剤は4剤にすぎない.かくの如く発展の阻害されている背景にはウイルスが細胞内にて増殖すること,細菌のように細胞壁をもたないことなど多くの理由はあげられるが,ことに大きな要因はin vitroとin vivo成績の解離であり,また毒性の点であった1)
 しかし最近Interferonの研究の進展は,これまでagamrnagloburinemia(Bruton type)の患者がウィルス感染症では治癒するメカニズムを教え,さらにInterferonの収量の問題,精製の問題の克服のためにすすめられたInterferon誘発剤の研究は,生体の場でのInterferonの形成過程をますます明らかにした2).現段階では臨床的に急速な進歩はたとえ望めないにしても,その光明に一筋の希望を託することは許されるであろう.本誌の企画に即し,以下,具体的に抗ウイルス剤の応用の現状と筆者の考え方と評価を述べよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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