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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻12号

1973年11月発行

特集 これだけは知っておきたい治療のポイント

XI 感染症 5.化学療法の副作用

化学療法と副作用

著者: 三木文雄1

所属機関: 1大阪市大第1内科

ページ範囲:P.2026 - P.2027

文献概要

 薬剤の臨床使用に際して副作用は常に問題になる事項であり,副作用の有無がその薬剤の有用性を判断する際の重要な因子の1つになるが,化学療法剤においてもこのことは例外ではない.
 化学療法剤の副作用は大別すると,1)細菌の代謝を阻害するという化学療法剤本来の薬理作用に由来するもの,2)化学療法剤本来の作用とは全く無関係に現われるもの,3)アレルギー反応により現われるもの,の3つが考えられる.このうち,化学療法剤本来の抗菌作用に基づく副作用は,副現象とも呼ばれ,生体内の常在細菌叢の攪乱,殊に腸内細菌叢の減少によるV.B群・V.Kの欠乏や血清コレステロールの低下,菌交代症の出現,V.B群の肝における活性化の障害などが挙げられる.これらの副現象は特定の化学療法剤に限ってみられるというものではないが,一般に広域抗菌スペクトラムの抗生剤の投与に際して特に注意を払い,ビタミン欠乏症に対しては活性V.B群,V.Kの非経口投与,菌交代症に対しては起炎菌の検索の反覆などにより,その発生予防に注意することが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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