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今月の主題 最近の老人病—臨床とその特異性 みなおされてきた老人の疾患
正常圧水頭症
著者: 矢田賢三1
所属機関: 1北里大脳神経外科
ページ範囲:P.2060 - P.2061
文献購入ページに移動正常圧水頭症の定義,発生機序等については,未だ明確にされていないが,一般的にうけ入れられているものとしては,上記諸疾患のような,脳実質の方に一次的な脳萎縮をきたす病変がなく,髄液圧の亢進がないにもかかわらず進行性に脳室系の拡大をきたして二次的な脳機能の低下をきたす状態で,脳室心房交通術によってその症状の著しい改善の認められるものをさしている.このような状態を惹起する原因としては,外傷,くも膜下出血などの他に,原因不明のもの(非顕性の髄膜炎などが可能性として考えられている)があり,前二者のばあいには,この状態の診断もさほどむずかしくないが,原因がはっきりせずに,正常圧水頭症が発現してきたばあいには,Alzheimer氏病その他の一次的な脳疾患との鑑別が問題となる.
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