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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻13号

1973年12月発行

今月の主題 最近の老人病—臨床とその特異性

みなおされてきた老人の疾患

心アミロイドージス

著者: 栗原博1 寺沢富士夫2

所属機関: 1東大・第3内科 2浴風会病院

ページ範囲:P.2062 - P.2064

文献概要

はじめに
 アミロイドージス1)は,糖蛋白を主体とする病的な物質が全身の臓器の組織間隙に沈着する,一種の沈着症である.原発性にしろ続発性にしろ,多くの例で心臓や血管系にアミロイドの沈着がみられ,頑固な心不全や,不整脈の原因となる.一方,アミロイドージスの中には,加齢に伴うものがある2).すなわち,高齢者の剖検例では,詳細にしらべると,アミロイドの沈着が,心臓・脳・膵・精?・卵巣などの間質や,これらの臓器の血管壁に,その程度は一様でないが,思いのほか高率にみられるとされている.なかでも,心臓に限局してアミロイドをみることが多く,老人性心アミロイドージス(Senile cardiac amyloidosis)として注目されている3)〜10).近年,老年人口の急増とともに,老年者でみられる心不全や不整脈の原因の一つとして,あらためてみなおされてよい疾患の一つといえよう。循環器系のアミロイドージス一般については別にふれたにとがあるので11),ここでは老人姓心アミロイドージスを中心に,簡単にのべることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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