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グラフ 血管造影のみかた
肺(その2)
著者: 尾形利郎1 山本鼎1 河井敏幸1
所属機関: 1国立がんセンター病院
ページ範囲:P.213 - P.219
文献購入ページに移動1.鑑別診断的なみかた
肺動脈,肺静脈など肺循環系の異常には,その病変の主体が肺血管系自体にある場合と,血管系以外の肺疾患の影響によって発生する場合の2つが存在する.肺癌を中心とした臨床において,前者は肺血管造影により直接的に肺癌との鑑別が可能であり,後者は肺癌の示す特徴的な変化と鑑別肺疾患の示す特徴的な変化との対比から間接的な鑑別診断が可能である.
肺血管系自身の病変は決して頻度の多いものではなく,さらに臨床的に肺癌と鑑別を必要とする症例に対象をしぼると,その数はいっそう減少する.しかしこのような疾患群では,肺血管造影によって決定的な診断が可能である点,鑑別診断上重要であるといえる.
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