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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻2号

1973年02月発行

文献概要

手術を考えるとき

抜歯と内科疾患

著者: 上野正1

所属機関: 1東京医歯大・第1口腔外科

ページ範囲:P.252 - P.253

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 歯牙の抜去,すなわち抜歯と呼ばれる小手術は,その適応症患者が幼児における乳歯の自然脱落遅延症例から高齢者まで,また女性の妊娠期をも含めて,極めて広いという特徴をもっている.その手術侵襲の程度は,弛緩した乳歯あるいは歯槽膿漏罹患歯が少量の局所麻酔剤の使用によって,数秒以内に終わるものから,植立の強固な複根歯あるいは埋伏歯のごとく被覆歯肉の切開または切除,顎骨の一部削除,歯冠の分割あるいは一部削除などの操作を必要とし,時間も30分を越える例まで種々である.
 以上のごとき抜歯の可否を,主治医の内科医に患者が質問したとき,当該の抜歯操作が単純なものから複雑なものまで広い範囲にわたっていることを念頭を置いて,指示を決定する必要がある.さらに抜歯という歯科的医術は,通例外来治療として局所麻酔のもとに行なわれるから,たとえ単純な抜歯例においても,患者には多少の肉体的ならびに精神的影響を与えずにはおかないことは,次の研究結果からも明らかである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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