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文献概要
今月の主題 内科最近の話題 心臓
産褥心
著者: 鷹津正1
所属機関: 1大阪医大・第3内科
ページ範囲:P.412 - P.413
文献購入ページに移動産褥心postpartum heart diseaseは産褥性心筋症postpartum (postpartal) cardiomyopathyともいわれ,心疾患の既往をもたないものが,分娩後5カ月以内に心不全症状をきたし,しかもその原因が全く不明のものに名付けられた心症患である.少数例において,妊娠最終月に同様の症状が現われるので,総称してperipartumheart diseaseあるいはperipartum cardiomyopathyとも称される.
本症記載の歴史は古いが,Meadows1),Walshら2)により注意が喚起され,近時世界の心臓病専門家の重要な研究課題の一つとなっている特発性心筋症idiopathiccardiomyopathyの範疇に入るものとして本症をとりあつかっている.わが国における報告は未だ多くはなく,筆者の特発性心筋症100例中本症は4例をみたにすぎない。
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