文献詳細
文献概要
今月の主題 内科最近の話題 高血圧
腎血管性高血圧症
著者: 和田達雄1
所属機関: 1横浜市大第1外科
ページ範囲:P.416 - P.417
文献購入ページに移動はじめに
腎臓に病変が存在するために生ずる高血圧症は,いわゆる腎性高血圧症と呼ばれている.このうち腎実質や腎盂,尿管などの疾患に起因する高血圧症では,その昇圧機構を明らかにすることが困難なことが多く,高血圧に対する手術の対象となる例は比較的少ないように思われる.これに対して,腎動脈の血行障害にもとつく腎血管性高血圧症は,最近の基礎的研究の進歩に伴い,その昇圧機構が解明されつつあり,外科医はこの昇圧機構そのものに対してメスを加えることが可能となっている.したがって厳密な意味で高血圧症に対する手術の適応を決定することができるものといえよう.この点は褐色細胞腫などのいわゆる内分泌性高血圧症も同様であって,数多い高血圧症の患者の中から,これらの外科的高血圧症を診断し,手術適応を正しく決定することは,高血圧症患者を診療する医師にとって,きわめて重要なことと考えられる.
腎臓に病変が存在するために生ずる高血圧症は,いわゆる腎性高血圧症と呼ばれている.このうち腎実質や腎盂,尿管などの疾患に起因する高血圧症では,その昇圧機構を明らかにすることが困難なことが多く,高血圧に対する手術の対象となる例は比較的少ないように思われる.これに対して,腎動脈の血行障害にもとつく腎血管性高血圧症は,最近の基礎的研究の進歩に伴い,その昇圧機構が解明されつつあり,外科医はこの昇圧機構そのものに対してメスを加えることが可能となっている.したがって厳密な意味で高血圧症に対する手術の適応を決定することができるものといえよう.この点は褐色細胞腫などのいわゆる内分泌性高血圧症も同様であって,数多い高血圧症の患者の中から,これらの外科的高血圧症を診断し,手術適応を正しく決定することは,高血圧症患者を診療する医師にとって,きわめて重要なことと考えられる.
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