文献詳細
文献概要
今月の主題 内科最近の話題 肝・胆・膵
進行肝癌の化学療法
著者: 菅原克彦1 河野信博1
所属機関: 1東大・第1外科
ページ範囲:P.446 - P.447
文献購入ページに移動進行肝癌の治療は臨床家を悩ます課題の1つである.患者の自覚する大きな腹部腫瘤があり,肝障害,胆癌による悪液質などの諸条件は患者の状態を悪化せしめるのみで,多くの努力にかかわらず治療効果はあまり期待できない.
原発性肝癌の切除率は0-13%と低く,その主な理由は肝硬変と併存していることが多く,局所的に切除可能であっても切除後の循環動態の変化,低酸素症などにより,残存正常細胞は生体の代謝を担い得ず肝不全にいたる.またcritical stageを経過し得ても再生肥大を起こし難いなど,特殊な病態がある.原発性肝癌患者のnatural historyは診断が下されてから2-4月といわれているが,剖検所見では30%に遠隔転移がみられるにすぎず,姑息的であるが,積極的な治療がのぞまれる.
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