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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻4号

1973年04月発行

今月の主題 内科最近の話題

内分泌

下垂体ホルモン放出因子

著者: 入江實1

所属機関: 1東邦大・第1内科

ページ範囲:P.454 - P.455

文献概要

放出因子とは
 下垂体前葉のホルモン分泌に関して,以前から間脳とくに視床下部の関与のあることが知られており,図1に示すように各内分泌臓器から分泌されるホルモンが視床下部に作用して何らかの形で下垂体前葉ホルモン分泌のコントロールを行なうことが示されてきた.末梢のホルモン分泌が小であれば視床下部の下垂体刺激作用は大きいという逆相関の関係があるため,この機構はnegative feed-back mechanismと呼ばれている.このうち,視床下部から下垂体前葉への指令が神経性neura1に行なわれるものか,体液性humoralに行なわれるかという点に当初の研究は集中したが,下垂体の静脈系は下垂体門脈系と呼ばれるように細かい静脈叢を通じて視床下部と連絡しており,体液性連絡の可能性が強く考えられた.そこでその想定下に生理学的な研究がエネルギッシュに行なわれ,今日ではここに述べる前葉ホルモンの放出因子Releasing Factorの存在が確実であると考えられている.一方研究の過程において放出よりもむしろ前葉ホルモン分泌の抑制を行なう因子もホルモンによっては存在することが判明し,抑制因子Inhibiting Factorとよばれている.放出因子,抑制因子ともに,なお研究途上にあって,学会においてもホットな話題であり,その臨床応用もふくめて今後の発展が期待されるところである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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