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今月の主題 消化管ホルモンの臨床
消化管ホルモンの歴史
著者: 和田武雄1
所属機関: 1札幌医大・第1内科
ページ範囲:P.550 - P.551
文献購入ページに移動 本特集のはじめに
消化管ホルモンの歴史を回顧するようにとのことであるが,内外の2,3の発表1)〜3)のほかに私自身4)5)も最近その一部に触れたことがある.歴史をひもとくことの意義をこと新たに云々する必要もないが,生理学上の研究史は少なくとも考古学や未来学のとりあげるところとは立場が違うはずである.しかし一面また科学研究が問題をその由来にたどることには,たとえばあのW. FurtwaenglerがTon und Wort(芳賀檀訳,新潮社1957)の中で,………文献学的真実の方が生きた精神よりも重大なのかと問いかけて,1814年代の〈ベートーヴェン〉と当時の彼をめぐる社会よりも,いまわれわれと共に生きつづけている〈ベートーヴェン〉を考えるべきだとし,歴史的な観点はわれわれの生命に問いかけるものでなければならないとしているが,その点はこの課題においても同じことのように思える.しかも,そのことはかなり大切なことと思うので,多少そのようなことを念頭にしながら今後のためにこの歴史を回顧してみたい.
消化管ホルモンの歴史を回顧するようにとのことであるが,内外の2,3の発表1)〜3)のほかに私自身4)5)も最近その一部に触れたことがある.歴史をひもとくことの意義をこと新たに云々する必要もないが,生理学上の研究史は少なくとも考古学や未来学のとりあげるところとは立場が違うはずである.しかし一面また科学研究が問題をその由来にたどることには,たとえばあのW. FurtwaenglerがTon und Wort(芳賀檀訳,新潮社1957)の中で,………文献学的真実の方が生きた精神よりも重大なのかと問いかけて,1814年代の〈ベートーヴェン〉と当時の彼をめぐる社会よりも,いまわれわれと共に生きつづけている〈ベートーヴェン〉を考えるべきだとし,歴史的な観点はわれわれの生命に問いかけるものでなければならないとしているが,その点はこの課題においても同じことのように思える.しかも,そのことはかなり大切なことと思うので,多少そのようなことを念頭にしながら今後のためにこの歴史を回顧してみたい.
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