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文献概要
今月の主題 消化管ホルモンの臨床
目でみる消化管ホルモンの分泌
著者: 大坂道敏1 小林繁1 藤田恒夫1 笹川力2
所属機関: 1新潟大・第三解剖学教室 2長岡中央総合病院内科
ページ範囲:P.557 - P.563
文献購入ページに移動これらの基底顆粒細胞は,主にその特殊顆粒の微細構造の違いに基づいて,10種類ほどに分類されている1).そして,各細胞型は,それぞれ別種の消化管ホルモンを分泌していると信じられている.顆粒がクローム親和性を示すことからEC(Enterochromaffin)細胞と呼ばれているものは,電子顕微鏡下では,まっ黒な不整形の顆粒を特徴とする(図6).この細胞はセロトニンを分泌することが知られているが,最近では,同時に何らかの蛋白性ホルモンも分泌するものと考えられるようになった.また,G細胞と呼ばれる細胞は,特有な明るいまるい顆粒を持ち,胃の幽門前庭部に集中的に分布するため,ガストリンを分泌すると考えられている(図2)底そのほか,膵島のD細胞に酷似し,D様細胞と呼ばれるものは,特有な灰色の顆粒をもち(図4),膵島のD細胞と同じく,その分泌しているホルモンはまだ確認されていない.その他の細胞型についても,現在そのホルモンの同定が,螢光抗体法その他の方法で盛んに試みられている.
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