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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻5号

1973年05月発行

文献概要

今月の主題 消化管ホルモンの臨床 消化管ホルモンの生理

胃液分泌と消化管ホルモン

著者: 関敦子1

所属機関: 1東大・第3内科

ページ範囲:P.572 - P.573

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従来の胃液分泌機構についての説明
 胃液分泌の機構については生理学の教科書に頭相(cehalic phase),胃相(gastric phase),および腸相(intestinal phase)の3相について記載されている.頭相は、視覚,嗅覚,味覚あるいは条件反射的に中枢神経系より迷走神経を介して,胃酸分泌を亢進する神経性のものであり,胃相は,食物が胃に入ってからその機械的,化学的刺激により幽門洞粘膜からガストリンが内分泌され,それが胃底腺の壁細胞に働いて胃酸分泌を亢進する化学的機序によるものである.腸相は,胃において消化された消化粥が12指腸および小腸上部の粘膜に働いてガストリン様物質が内分泌され,胃底腺の壁細胞に働いて胃酸分泌を亢進するので,やはり化学的機序によるものである.そして胃液分泌における各相のしめる割合は,頭相,胃相がそれぞれ45%,腸相が10%程度ではないかと説明されている.
 以上の記載は,消化管ホルモンに関する知見が未だ乏しかった時代のものであり,今日のように消化管ホルモンに関する非常に多くの知見が分ってくると,消化管ホルモンを中心にした胃液分泌機構について新しい検討が必要となってきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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