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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻5号

1973年05月発行

文献概要

今月の主題 消化管ホルモンの臨床 消化管ホルモンの臨床

ダンピング症候群

著者: 戸部隆吉1

所属機関: 1京大第2外科

ページ範囲:P.590 - P.591

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ダンピング症候群とは
 胃切除を受けた患者は,原疾患が潰瘍であれ,癌であれ,原疾患が切除されるとほとんど大半は健常な状態に復するものであるが,少数の胃切除術後患者の中には,食直後に,腹鳴,腹痛,腹部膨満,悪心,嘔吐,下痢,蠕動亢進,全身倦怠,めまい,頻脈,発汗,動悸などを訴え,desire to lie downと表現されるように,いわゆる血管運動性失調を伴った腹部症状を訴える症例がある.このような症候群を,ダンピング症候群といい,はじめて記載したのは,Denechau1)(1907)であり,ダンピング胃という名称をつけたのはMix1)(1922)である.その発生頻度2)は,欧米では32.1%,わが国では16.3%といわれるが,通常はもっと少なく,明らかにその定義を充たす症例は,1-2%,数%以下である.一般に癌手術後には発生は少なく,潰瘍手術後に多い.
 その原因に関しては,実に多くの学説が述べられてきた.1950年以降の文献からその原因に関するものを求めても表3)の如く枚挙にいとまがないが,いずれも二次的変化としても起こり得るので多くの反論を残してきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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