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手術を考えるとき
胆石症
著者: 梅園明1
所属機関: 1済生会宇都宮病院・外科
ページ範囲:P.648 - P.649
文献購入ページに移動 胆石症の治療は,外科的治療を原則とすることに異論はないと思うが,その手術適応,手術時期に関しては,種々論議がみられる.特に内科医と外科医との間には,なおその見解に,多少の差がみられ,一般に内科医は胆石症の手術に対して,比較的消極的になる傾向があるようである.
そのことには,まず手術死亡の問題,術後胆石の再発,あるいは胆嚢摘出後困難症の出現などによる手術成績に対する不信感が影響しており,一方,胆石がありながら,無症状に経過するSilentstoneの存在,または胆石の自然消失,縮小するものが,少数ながらあることなどの問題も関係していると思われる底手術成績に関しては,丁術死亡率は,本邦において,1-2%の報告が多いが,その死亡例の大多数は,高齢者を主とする急性重症胆嚢炎,または高度黄疸などの重篤な合併症例で占められており,適応の点で論議のある間歇期における胆嚢摘出術については,手術死亡率は0.2-0.3%と極めて低い.
そのことには,まず手術死亡の問題,術後胆石の再発,あるいは胆嚢摘出後困難症の出現などによる手術成績に対する不信感が影響しており,一方,胆石がありながら,無症状に経過するSilentstoneの存在,または胆石の自然消失,縮小するものが,少数ながらあることなどの問題も関係していると思われる底手術成績に関しては,丁術死亡率は,本邦において,1-2%の報告が多いが,その死亡例の大多数は,高齢者を主とする急性重症胆嚢炎,または高度黄疸などの重篤な合併症例で占められており,適応の点で論議のある間歇期における胆嚢摘出術については,手術死亡率は0.2-0.3%と極めて低い.
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