文献詳細
文献概要
ある地方医の手紙・11
留置場への往診
著者: 穴澤咊光1
所属機関: 1穴澤病院
ページ範囲:P.662 - P.663
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夜中の往診は辛いものですが,なかでも警察署の留置場(いわゆるブタバコ)への往診は,私にとって最も有難くないものです.というのは,留置場というところは実に気色のわるいところだし,患者が重患だったりすると色々厄介なことが多いし,たまたま患者が死んだりすれば遺族が怒鳴りこんできたりして,とんでもないトラブルにまきこまれるし,それに留置人の大半は暴力団員またはそれに類するような人種で,まず診療費は踏み倒されるものと覚悟しなければなりません.それどころか,こういう人種を患者にもつと,保釈出所後金をタカリにこられたり,ささいな疾患を理由に「刑の執行を免除して貫うように診断書を出してくれ」なんて外来で粘られたり,およそロクなコトはないからです.
夜中の往診は辛いものですが,なかでも警察署の留置場(いわゆるブタバコ)への往診は,私にとって最も有難くないものです.というのは,留置場というところは実に気色のわるいところだし,患者が重患だったりすると色々厄介なことが多いし,たまたま患者が死んだりすれば遺族が怒鳴りこんできたりして,とんでもないトラブルにまきこまれるし,それに留置人の大半は暴力団員またはそれに類するような人種で,まず診療費は踏み倒されるものと覚悟しなければなりません.それどころか,こういう人種を患者にもつと,保釈出所後金をタカリにこられたり,ささいな疾患を理由に「刑の執行を免除して貫うように診断書を出してくれ」なんて外来で粘られたり,およそロクなコトはないからです.
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