文献詳細
文献概要
今月の主題 問診 症状別問診法
胸痛と問診
著者: 石見善一1
所属機関: 1虎の門病院・循環器科
ページ範囲:P.716 - P.717
文献購入ページに移動 胸痛の問診に際して考慮すべき点は,第1には胸郭内には種々の臓器があり,そのほとんどが胸痛の原因となり得るのに反し,我々のもつ胸痛の知識は極めて断片的なものである点である.第2には胸痛は重要臓器の疾患に必発でもなく,また原因疾患の重篤さと疼痛の程度との間の相関も必ずしも強くない点である.即ち比較的軽くても死に直結するような重要なものから,いかに激烈でも大勢には影響のないものまで,種々雑多なものが含まれている.第3には胸痛にはその臓器自体よりの疼痛の他に,関連痛,他臓器への圧迫による疼痛等が混在しており,さらには腹部臓器の疾患も胸痛として訴えられる場合があることである.
表1は胸痛の原因となる臓器および重要な原因を一括表示したものであるが,胸痛の問診に際しては,これ等を念頭に,直ちに治療を要する重要疾患をまず第1に鑑別をしながら問診を進めていく必要がある.しかしまた同時に先入観をすて,広い視野にたって問診をめるべきで,機能的なものを器質的と誤診するの愚を犯してはならない.
表1は胸痛の原因となる臓器および重要な原因を一括表示したものであるが,胸痛の問診に際しては,これ等を念頭に,直ちに治療を要する重要疾患をまず第1に鑑別をしながら問診を進めていく必要がある.しかしまた同時に先入観をすて,広い視野にたって問診をめるべきで,機能的なものを器質的と誤診するの愚を犯してはならない.
掲載誌情報